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ハプニングは旅の醍醐味。しかし度が過ぎると...-自然の恵みを存分に享受した花の町・世羅高原

自分が旅が好きな理由の一つとして”思わぬハプニング”がある。

もちろんここで言っている”ハプニング”とはいわゆる”事故”や”怪我”という"トラブル"ではない。

”ちょっとした、予想外の出来事”という意味だ。

もともとプランはラフに立てるので予定訪問地のみどころやグルメなんかはあまり事前に調べない。

他の方のブログを拝見して"ここ行ってみたい"というところに行くことが多いのでそのブログ記事を参考にしているがそれすらかなり脱線する。

自転車で走る区間もルートラボなどで調べておく手段はあるが、私はヤフーの地図で見る程度。

なので現地で迷い、地元の方に聞くこともかなりあるがそれがまた旅の醍醐味だと思っている。

そこで思わぬ景色に出くわしたり、地元の方と話が弾んだり。

そういうのがすごく楽しく、旅ならではのものだと思う。

しかしその”ハプニング”が時に"楽しい"という範疇を越えることがある。

今回の記事はまさしくそれがあてはまるような旅だった。

7月15日(金)、前から行きたいと思っていた世羅高原へ行った。

私が行きたいと思ったきっかけは今回もいろいろな方のブログ記事やミクシー日記などだ。

そこから世羅高原の印象というのはこんな感じ。

・季節の花が咲き誇る自然に満ち溢れたところ

・世羅高原内は自転車でそういった自然をのんびりと満喫できる。

・尾道からは緩やかな登りだが小径車でポタリングが十分楽しめる程度。

・世羅から尾道は復路は逆に緩やかな下りとなりライドが気持ちいい。下りが苦手な私でも十分楽しめる。

7月中旬ということもあり季節の花という意味ではちょっと期待が持てないことは覚悟していた。

ただ自然の中をブロンプトンでのんびりとポタリングし景色の写真を撮って帰りはライドをも楽しめる-そんなことを想像していた。

行き帰りを同じルートにしてももったいないので往路は尾道~三原~世羅高原、復路は世羅高原~尾道というルートで行くことにした。

朝4時半ころスタート。

暑くなることが予想されたので往路の登りは早めにクリアしておこうと早朝スタート。

朝の瀬戸内海の風景はどこか幻想的だ。

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朝日を浴びて町がオレンジがかっているのもいい。

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しかしこの写真から感じられる静寂とのどかさとは裏腹に走った2号線は早朝からトラックが異常に多く、ライドはかなり神経を使った。

もうすぐ三原というところで急に後輪が振れ出す。

まさか....

止まってチェックするとパンク(悲)。

いきなりのつまずきにテンションが下がりながらもすぐにパンク修理に取り掛かる。

ブロンプトンの後輪なのでちょっとめんどうで汗だく泥だらけになったがパンク修理完了。

それでもまだ5時過ぎなので暑くなる前に世羅高原到着にはさしつかえなかった。

三原市街に入り県道25号を北上。

最初、チェックしたヤフーの地図からも短いヒルクライムがあることは分かったので多少気合を入れて登り始めた。

ループしている道をクリアしそろそろ平地もしくはピークかな、と思ったがまだまだ先に登りが続いている。

先のカーブを見ては"あれで終わりか...やれやれ。”と安心するが期待を裏切り登りが続く...

それが何回も続き、体より気持ちの方が疲れ初めて来た。

”いったいどこまでつづくんや、これ”

緩やかな登り、どころか結構な登りやし、これからもそれが続きそう。

早朝にもかかわらず汗だく。

しかも見通しのいいところでは山合いの谷の先に道が見え、それがかなり高い位置にあったりする。

”ええーっ、あんなところまで登るの!?”

ちょっと前までブロンプトンは入院していたが、この時点ですでに不具合が出ていた。

しかし今回の旅は厳しいところはないと思っていたのでブロで来たがこれだけのコースだと自転車も心配だ。

甘めの予想が裏切られ、呼吸はきつくなり、汗だく、しかもどこまで続くのかという不安...

最悪の精神状態と奪われる体力のなかの奮闘。

ちょうどこの先は...と期待を持つのをやめた時にピークが現れた。

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ここから先はしばらく下りが続いてホッとした。

がその下りが終わる緩やかではあるがアップダウンが交互にやってきた。

この時点では冷静になっていたのでこれは予想通りやな、と思ってこなすことができた。

そしてやっと世羅の町並が見えてきた。

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世羅の町に入って案内をチェックするといわゆる農園や花畑はまだ北の方らしい。

距離的にすぐだろうとリラックスして進むと想像以上にきついアップダウン、7%下りそして8%登りというように平地が全くなくアップダウンが連続していた。

ふらふらになりながらせら夢公園へ。

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ワイナリーが併設している公園のようで高台からはいい景色が臨めた。

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これはブドウ園だろうか?!

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ここから周囲の景色を見て自分の認識が間違っていたことに気がついた。

山々が細かく連なっているのでどこに行くのにもアップダウンは覚悟しないといけないようだった。

公園の管理をしているおじさんに聞いても自転車で行くことを伝えると、きついよーといっていた。

まだ時間も早かったのでワイナリーハウスが開いていなかったので早速次へ行くことに。

この時期花といえば見頃はラベンダーだった。

なので香山ラベンダーの丘を目指す。

ここまで来たアップダウンを再びこなし、そして今度はかなりの斜度のヒルクライムが待っていた。

予想を軽めにしておいてきつめの現実を目の当たりにすると本当にダメージは大きい。

へろへろになってラベンダーの丘に到着。

入園料が700円と高いのでラベンダーの咲き具合を壁の上からチェックすると...

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ん??

ちょっとさびしくないか...

これで入るのはもったいないかも。

そんなことを考えながらとりあえず入口の前に自転車を置いて休憩。

すると入り口からおばさんが出てきて"その自転車で来たのー。大変やね。”

"こんなにアップダウンがあるなんて思ってなかったのでへとへとです。”

なんてちょっと雑談。

ちょっととぼけて、

"ラベンダーは今どんな咲き具合ですか?”と聞くと

"そうやね、まだまだ見れるけどちょっと終わりかけてるね。”

やっぱりそうか、と思って入園はやめとこと思った瞬間...

"自転車で来た人は無料やから見ていけば。”

"ええーっ、そうなんですか。いやぁちょっと休憩だけしようと思っていたんですけど...せっかくやし。”

とかいいながら入園することに。

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ほんまや、そう書いてあるわ。

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そのかわりサイクリスト専用のノートにメッセージを残すとのこと。

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これは他の施設でもそうなんですか、と聞くとここだけじゃないかなぁといっていた。

何で自転車だけなんですか、と聞くと自転車はここに来るのに苦労するでしょう、と笑っていた。

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早速入園。

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なかなかメルヘンチックに作ってある。

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外からは見えなかったがラベンダーもきれいに咲いていた。

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ラベンダーだけでなく他の種類の花も鮮やかだった。

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こちらではピークは過ぎているがまだアジサイが咲いていた。

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この色とりどりの小さな花がかわいかった。

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こういう手作り感も親近感が持てる。

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半分以上はまだ何もなかったが秋は一面コスモスに覆われるらしい。

世羅高原が一番いいのは花の種類が豊富な4~6月がいいそうだ。

思わぬサービスに疲れも一気に吹っ飛んだ。

ここからも厳しいヒルクライムやアップダウンを覚悟したが、下り基調で登りも緩やか。

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ダム湖にうつる雲がきれいやったねー。

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こういうのも見る余裕が出てきた。

そして当初期待していた自然を満喫しながらののんびりポタをしてお目当てのジェラート屋に到着。

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牧場が直営しているジェラート工房・ドナ。

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季節限定のシークヮーサーとラムレーズンを注文。

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ふうー、おいしい!

至福の時♪

併設する牧場を見学。

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この牛のお腹のでかいこと!

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小屋に歩いていくとひょこひょこと顔を出して来たのが..

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なんとも言えない表情やな。

足に何かつんつん来ると思ったらこいつらだった。

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こんなところから顔を出している。

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馬もたくさん。

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私が行くところ行くところについてくるのがこいつ。

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顔をこすりつけてくるのでなでてあげました。

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さあ、すっかりくつろいだので帰路につきましょう。

まずは世羅市街を目指す。

ここからもしばらく緩やかな下り。

この気持ちよさにすっかり前半苦しんだことをすっかり忘れていた私に試練が。

どう見ても山を一つ越えていきそうな急坂。

とにかく行くしかないと登り始めたがこれがまたきつい。

この日は気が緩んだ時にきついものが来るという最悪のパターン。

それでもなんとかこなしてピークへ。

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これを下ると世羅市街へ出ることができた。

すぐに南、尾道を目指すが目の前には山が連なっている。

もうすでにわかっていたのだが、尾道までは緩やかな下り、という私の想像は全く間違っていたことを改めて知った。

平地全くなしのアップダウン、登っているか下っているかのどちらかで足はへろへろ。

やや不具合が出かけているブロンプトンでは怖くて下りも制御しないといけないし。

そして午後になり気温も急激に上がってきた。

いくつかの坂を越えて尾道市入り。

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ここからも10キロ近い下りが続いたと思ったら今度は長い登り続くというのを繰り返してなんとか尾道市街へ到着。

総距離的にはそれほどではないと思うが、最初の見積もりが甘かったのかかなり苦戦した。

冒頭に述べたように”ハプニング”は旅行の醍醐味だが、度が過ぎるとえらい目に会うということだ。

それでも世羅高原はなかなかいいところでそれ以外は”いいハプニング"もたくさんあった。

世羅高原へは花が一番咲く春にもう一度来てみたいものだ。

その時は...今度はRNC7か一度走っていること、そして気温が今より低いことを考慮してまたブロンプトンか...

よく考えてから決めることにしよう。
by tac-phen | 2011-08-09 04:17 | 中国地方
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